アラサーOLクソ日誌。

整体に家賃の1.5倍ぶっこむ整体ソムリエ兼アラサーOLのクソだけどいとおしい日々を綴った人生日誌です。

アラサーOL徒然日誌

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早朝に目をさまし、二度寝したら仕事でやらかす夢をみた。よくない夢のせいで、低血圧の身体がいっそう重い。

ふらふらと起きて、代謝を上げるために白湯を飲むべく、机上のティファールにらみつけ、携帯で時間を確かめる。毎朝まいあさ、湯も沸かせない時間まで起きれない自分がうらめしい。枕元の飲みかけのペットボトルに手を伸ばしてなんとか目を覚ます。

タンスの引き出しを開け、ねじれた黒いかたまりの中から、生地をつまんで確かめ、ひとつ選ぶ。裏起毛のタイツは、数年以上前から市場に出回っていたのだろうか。

涙袋製造シャドウや国籍不明のカラコン、矯正下着。しかるべき世代のアンテナにしかヒットしない「奥の手商品」というものがある。

一昨年までは、80デニールのタイツにも抵抗があった。加齢とは、媚びや気まずさに開き直りが勝つことなのか。いま手にしている裏起毛のタイツは150デニール、50デニールの実に3倍。開き直った後の加速は誰にも止められない。

電車待ちの間、駅の自販機でホットのお茶を買い、カイロ代わりにするのが日課だ。乗りこんだ電車では、目の前のシートに座る8人中7人がスマホを見ていた。これじゃ交通広告も商売あがったりだわなと週刊誌の中吊りを見やると、かつてはよくCMで見かけたタレントが袋とじになっていた。あっという間だったな…。手のひらの中の液体はもうぬるくなっていた。 

 

始業時間、気配を消してデスクに滑り込む。
昨日の自分が残タスクを殴り書きしたポストイットが解読できずに、ひそかに2秒停止する。昨日のわたしがうらめしい。

時計はいつの間にかもう14時を回っていて、取りそびれたランチをコンビニで調達しようと財布を持ってフロアを出た。なかなか来ないエレベーターを待っている間、2年半前に別れた元彼の結婚がふと頭をよぎる。

エレベーターがやっと来るも、混みあっていたので、見送る。こういう時は無理やり乗ってもわざわざ止まらせたくせに見送っても、どちらにしろ気まずい。

目の前に来たタイミングで乗らないと、またしばらく待たなければならないのはなにごとも同じだ。そして乗り過ごせば乗り過ごすほど、気長に待ちさえすれば、いつか乗れるだろうと思うようになる。


先週末ある会で「女性の生き方指南」のような本を何冊も出している著名人に、「あなたは頭でいろいろ考えすぎなのよ。」と言われたことを思い出す。

目の前に座っていたわたしより2つほど上の、髪をきれいにアッシュに染めた主婦が言った。「プライドが高いんですかねー。」「そうね、ごちゃごちゃ理屈並べて、足がすくんでんのよ。」

 

ショーケースに並んだ炭酸水に手を伸ばす。きっと今日も帰りは遅くなる。

 

すこし前、大学時代の後輩が「恋愛と結婚は別ものとわかってるけど、結婚向きの人を好きになれない。」とこぼした。

すると既婚者の先輩が「結婚に夢見すぎじゃないの」と言った。後輩は一瞬表情をこわばらせた。

みんな、自分の生き方を肯定したい。自分の生き方を肯定しようとして、ほかのだれかの芽を意識的・無意識的につもうとしてしまう。ぺしゃんこにしてしまう。

 

店内を回遊するも、目ぼしい商品がはけてしまったランチ後のこの時間に特段惹かれるものもなく、ブロッコリーとタコのサラダに手を伸ばす。アンチョビで和えたら、どんな組み合わせもなんとかなるのだろう。何が「マリアージュ」になるのかなんて、食べてみなければわからない。それはそうなのだけど。

 

フロアに戻りメールを起動すると、同期の退職報告のメールが届いていた。女はいつも迷っているようで、腹を決めてからは周りがついていけないほど行動が早い。同期間でお互いの近況報告が続くが、わたしの近況・・・はなんだろう。返信を打つ手が止まったまま、メールを閉じる。

夕方から夜まで、後輩から立て続けに仕事の相談を受けた。独善的で説教臭くて高圧的。そういう自分をさいきんよく見かける気がする。

 

昔、同性の先輩がイラついている時「あぁはなりたくないよね」と言ってる子がいた。「だって怖いじゃん。」その一言が頭をよぎる。

「怖い。」「疲れてるね。」という言葉ほど、働く女を傷つける言葉はないと思う。

そんな自分が嫌で、でも止められない。誰か止めてと思う一方で、誰にも気づかれないで欲しいと願う。

頑張りすぎる、マジメすぎる、主観や正義感が強すぎる。女が仕事に躓く時、実は「足りない」なんてことは少なくて、なんでも「すぎる」時が多い。 「女」というより、わたしの場合か。上手にやってる人も居る。あの頃の自分の視線が痛い。

春雨スープとお菓子を夕飯代わりにして、やっとひとり落ち着いてもくもくと仕事を片付ける。今日も、明日の自分にポストイットに希望を託す。こうやって社会の債務は先送りされているのだ。

これにて本日閉店、失礼します。

ビールが飲みたいけど、今日は昼間の炭酸水の残りでがまんする。

 

ツンとする夜の冷たさ。通り過ぎる、28の冬。

寄り道したコンビニで、今朝中吊り広告に載っていた、袋とじの見出しを見つける。
ほとんど見かけなくなっていた彼女は、この数年どんな日々を過ごしていたのだろう。

年中真夏な男性週刊誌の表紙と比べて、女性ファッション誌の踊るような季節感。

可愛いけれどどこか垢抜けなくてどちらかというと男性受けの強かった印象の石原さとみが、こんなに複数の女性誌の表紙を飾るなんて、時代はわからないなぁと思いつつパラパラめくる。

「女の人はやっぱり恋をしていなきゃ。」芸能人が女性誌のインタビューでそう答えるのは、業界ルールのひとつかなにかなのだろうか。

 

そういえばあのアッシュの髪色の主婦は、今でも旦那に恋してときめいてると言っていた。自分から猛アタックして付き合い、結婚出産に至ったそうだ。結婚後も、はたして恋をするものなのだろうかと気になって、婦人公論の表紙を見ると、今月の特集は『大人の恋 運命の引き寄せ方』だった。

やはり、先のことはわからない。

 

それより、石原さとみも美容と健康のために白湯を常飲していることを知った。やっぱり白湯なのだ。明日の朝こそ白湯を飲んでやると、ひとり決意を固め、帰宅する。

帰宅後風呂を沸かし、あたたかい湯船に顔をうずめる。きょう一日の自分の言動を振り返る。

 

 「あなた傷ついたって言うけど、私の方がもっと傷ついてるんだからね。」

 

あの作家の女性がその後に続けようとした言葉が、「だから人生にもっと飛び込め」なのか「だからつべこべわかったようなことを言うな」なのかはわからない。だけど、こうやって自己憐憫にまみれるくらいなら、頭でっかちで足がすくむくらいなら、飛び込んでいった方がいいのだろう。

 

・・・さっき雑誌で見た、石原さとみが履いていたようなシフォンスカートの鮮やかさが浮かんだ。 春には、肩の凝らないGジャンに、春色のスカートを合わせて出かけたい。

 

女の季節は、巡り続ける。 

 

去年よりひとつ歳を重ねたわたしにも、春はもうすぐやってくる。